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登記事項証明書とは?見方から取得方法まで 宇都宮市の司法書士が初心者向けに解説
登記事項証明書とは?登記簿謄本との違いをわかりやすく解説
不動産の売買や相続、住宅ローンの手続きなどを進めていると、突然「登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)を取得してください」と言われ、戸惑ってしまう方は少なくありません。「なんだか難しそうな書類だな…」「どこでどうやって手に入れればいいの?」と不安に感じますよね。
でも、ご安心ください。登記事項証明書は、決して難しいものではありません。この記事を最後までお読みいただければ、その正体から種類、取得方法、そして読み解き方まで、初心者の方でもスッキリと理解できるようになります。
不動産に関する手続きでは、この登記事項証明書が基本中の基本となります。例えば、親から不動産を受け継ぐ相続登記の手続きにおいても、まずはこの書類で不動産の現状を正確に把握することから始まります。この記事が、あなたの不安を解消し、自信をもって次の一歩を踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。
一言でいうと「不動産の公式なプロフィール証明書」
登記事項証明書とは、一言でいえば「その土地や建物の公式なプロフィールが書かれた証明書」です。人間でいうところの「戸籍謄本」や「履歴書」をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
この証明書には、
- その不動産がどこにあるのか(所在)
- どれくらいの広さや大きさなのか(地積・床面積)
- 今の持ち主は誰なのか(所有者)
- 過去に誰が所有していたのか(所有権の移転履歴)
- 住宅ローンなど、借金の担保になっていないか(抵当権など)
といった、不動産に関する非常に重要な情報が、法務局という国の機関によって記録・証明されています。この書類があるおかげで、私たちは不動産を安全に取引することができるのです。まさに、不動産の信頼性を支える大切な証明書といえるでしょう。
「登記簿謄本」とは呼び方が違うだけ
「登記事項証明書と登記簿謄本(とうきぼとうほん)って何が違うの?」という疑問も、非常によくいただく質問です。結論から申し上げますと、「呼び方が違うだけで、証明されている内容は同じ」と考えていただいて問題ありません。
昔、登記記録が紙の帳簿(登記簿)で管理されていた時代は、そのコピーのことを「登記簿謄本」と呼んでいました。しかし、現在では登記記録はすべてコンピュータのデータで管理されています。そのデータを印刷して証明したものが「登記事項証明書」です。
つまり、コンピュータ化に伴って呼び名が変わっただけで、役割や法的な効力は同じです。金融機関や役所などで「登記簿謄本を持ってきてください」と言われた場合でも、法務局で「登記事項証明書」を取得すれば大丈夫ですので、安心してくださいね。
登記事項証明書は4種類!どれを取得すればいい?
登記事項証明書には、記録されている情報の範囲によっていくつかの種類があります。いざ取得しようと思ったときに「どれを選べばいいの?」と迷わないよう、ここで整理しておきましょう。不動産登記で主に使用されるのは、以下の4種類です。
基本の4種類とその内容
証明書の種類によって、記載されている情報の「詳しさ」が異なります。
- 全部事項証明書
その不動産に関する過去から現在までのすべての記録(過去の所有者や、すでに返済が終わって抹消された抵当権など)が記載されています。いわば「完全版」です。 - 現在事項証明書
現在効力のある情報だけを抜き出して記載したものです。過去の所有者や抹消された権利関係は省略されています。いわば「ダイジェスト版」です。 - 一部事項証明書
全部事項証明書の中から、請求した特定の情報だけを抜き出したものです。例えば、甲区(所有権)または乙区(所有権以外)の順位番号で特定して請求した事項のみ取得することができます。 - 閉鎖事項証明書
土地の合筆(複数の土地を一つにまとめること)や、建物の取り壊しなどによって閉鎖された登記記録が記載されています。過去の土地の状況を遡って調査する場合などに必要となります。
【結論】迷ったら「全部事項証明書」を選びましょう
「結局、どれを取得すればいいの?」と迷ってしまったら、司法書士としては「全部事項証明書」を取得することをおすすめします。
不動産の売買や相続、金融機関への提出など、重要な手続きのほとんどの場面で、過去の経緯を含めたすべての情報が記載されている「全部事項証明書」が求められます。提出先から特に指定がない場合や、ご自身でどの情報が必要か判断に迷う場合は、全部事項証明書を取得しておけば、「情報が足りないので取り直してください」と言われるような二度手間を防ぐことができます。
目的別!必要な登記事項証明書一覧表
より具体的に、どのような場面でどの証明書が必要になるのかを表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

※会社や法人の情報を証明する「履歴事項全部証明書」などは商業登記の証明書であり、不動産の登記事項証明書とは別のものですので、混同しないように注意しましょう。不動産の相続登記に必要な書類も多岐にわたるため、事前に確認しておくとスムーズです。
登記事項証明書の取得方法|費用と必要書類は?
登記事項証明書の取得は、実はとても簡単です。不動産の所有者でなくても、誰でも、日本全国どこの不動産のものでも取得できます。取得にあたって、身分証明書や印鑑、委任状などは原則として必要ありません。
取得方法は3つ!あなたに合った方法は?
取得方法は、主に「法務局の窓口」「郵送」「オンライン」の3つです。それぞれのメリット・デメリット、手数料などを比較して、ご自身に合った方法を選びましょう。
| 取得方法 | 手数料(1通) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 法務局の窓口 | 600円 | ・その場で即日発行される・不明点を職員に質問できる | ・平日の日中しか開庁していない・法務局まで行く手間がかかる |
| 郵送 | 600円+郵送料 | ・法務局へ行かずに済む | ・手元に届くまで数日かかる・申請書や返信用封筒の準備が必要 |
| オンライン | 郵送受取:520円窓口受取:490円 | ・手数料が一番安い・窓口時間外でも申請できる(利用時間帯に制限あり) | ・PCやスマホでの操作が必要・即日発行はできない |
【司法書士のおすすめ】安くて便利なオンライン請求の手順
もしお急ぎでなければ、手数料が安く、自宅から申請できるオンライン請求が最も便利でおすすめです。法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から手続きを行います。
大まかな流れは以下の通りです。
- 申請者情報登録:初めて利用する場合は、氏名やメールアドレスなどを登録します。
- 証明書の請求:システムにログインし、画面の案内に従って不動産の情報を入力し、証明書を請求します。
- 手数料の納付:インターネットバンキングやATMから電子納付(Pay-easy)で手数料を支払います。
- 受取方法の選択:「郵送」または「指定した法務局の窓口」で受け取ります。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れると非常に便利なシステムです。利用できる時間帯に制限がある点など、詳細は公式サイトでご確認ください。
申請前に確認!「地番」「家屋番号」の調べ方
登記事項証明書を請求する際に、一つだけ注意点があります。それは、普段使っている住所(住居表示)と、登記上の不動産の所在地(地番・家屋番号)は異なる場合があるということです。
申請には「地番(ちばん)」や「家屋番号(かおくばんごう)」といった登記上の情報が必要になります。これらの情報は、以下の書類で確認できます。
- 固定資産税の納税通知書(課税明細書)
- 登記済権利証(いわゆる「権利証」)
- 登記識別情報通知

もし手元にこれらの書類がない場合は、その不動産を管轄する法務局へ行き、備え付けの地図(ブルーマップ)で調べることも可能です。手続きでつまずかないためにも、事前に確認しておきましょう。特に相続登記で住所が繋がらないケースなどでは、これらの情報が非常に重要になります。
【見本付き】登記事項証明書の見方を3つのパートで徹底解説
無事に証明書が手に入ったら、次はその中身を読み解いていきましょう。一見すると専門用語が並んでいて難しく感じるかもしれませんが、見るべきポイントは決まっています。登記事項証明書は、大きく分けて「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3つのパートで構成されています。
どのような内容が書かれているか、法務局のホームページで公開されている見本を参考に見ていきましょう。
①表題部:土地・建物の基本情報
一番上に記載されている「表題部(ひょうだいぶ)」には、その不動産の物理的な状況が書かれています。
- 土地の場合:所在、地番(場所)、地目(土地の種類、例:宅地、畑)、地積(登記上の面積)
- 建物の場合:所在、家屋番号(建物の番号)、種類(例:居宅、店舗)、構造(例:木造、鉄筋コンクリート造)、床面積
【司法書士のチェックポイント】
実際に測量した面積(実測面積)と、登記上の地積が異なっているケースは珍しくありません。また、増改築がされているのに登記が更新されていない場合もあります。現状と登記記録に違いがないかを確認する、基本のパートです。
②権利部(甲区):所有者に関する情報(誰のものか)
「権利部(けんりぶ)」の「甲区(こうく)」には、「所有権に関する事項」、つまり「その不動産が誰のものか」という歴史が時系列で記録されています。
- 順位番号:登記された順番です。番号が若いほど古い登記になります。
- 登記の目的:「所有権保存(最初の所有者の登記)」や「所有権移転(所有者が変わった登記)」などが記載されます。
- 受付年月日・受付番号:法務局が登記申請を受け付けた日と番号です。
- 権利者その他の事項:所有者の住所・氏名や、所有権が移転した原因(「売買」「相続」など)が記載されます。
【司法書士のチェックポイント】
一番下に記載されている人が、現在の所有者です。また、ここには「差押」や「仮差押」といった、所有権を制限する重要な登記がされることもあります。不動産取引で最も注意深く確認すべき重要なパートです。相続手続きにおいては、この甲区の情報をもとに、被相続人がどの不動産を所有していたのかを確定させ、遺産分割の方法を検討していくことになります。
③権利部(乙区):所有権以外の権利(担保など)
「権利部」の「乙区(おつく)」には、「所有権以外の権利に関する事項」が記録されています。その代表例が、住宅ローンを組んだ際の「抵当権(ていとうけん)」です。
もし乙区に記載があれば、その不動産が借金の担保になっていることを意味します。ここには、
- 債権額:借入した金額
- 債務者:お金を借りた人
- 抵当権者:お金を貸した金融機関など
といった情報が記載されています。乙区に何も記載がなければ、その不動産は担保に入っていない状態ということです。
【司法書士のチェックポイント】
住宅ローンを完済しても、抵当権は自動的には消えません。別途「抵当権抹消登記」という手続きが必要です。完済したはずなのに抵当権が残ったままだと、その不動産を売却したり、新たにローンを組んだりすることができません。相続した不動産に古い抵当権が残っている場合も、相続登記の費用とは別に抹消登記の費用がかかるため注意が必要です。
宇都宮で登記事項証明書を取得するなら(地域特化情報)
宇都宮市およびその近隣にお住まいの方が、法務局の窓口で登記事項証明書を取得する場合、管轄は宇都宮地方法務局となります。

- 名称:宇都宮地方法務局(本局)
- 所在地:〒320-8515 栃木県宇都宮市小幡二丁目1番11号(宇都宮地方法務合同庁舎)
- アクセス:JR宇都宮駅からバス利用、「裁判所前」下車、徒歩約3分/東武宇都宮駅から徒歩約15分
- 証明書発行窓口時間:平日の午前9時から午後5時まで
当事務所からもアクセスしやすい場所にあります。もし窓口での取得方法に不安がある場合や、取得した証明書の見方がわからない場合は、お気軽にご相談ください。
登記事項証明書に関する注意点とよくある質問
最後に、登記事項証明書についてお客様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 有効期限はありますか?
A. 登記事項証明書そのものに、法律上の有効期限はありません。
ただし、提出先である金融機関や税務署、裁判所などが「発行から3ヶ月以内のものを提出してください」といった独自のルールを設けていることがほとんどです。手続きの直前に最新のものを取得するのが一般的ですので、提出先に事前に確認することをおすすめします。
Q. 取得したことが不動産の所有者に知られてしまいますか?
A. いいえ、知られることはありません。
登記事項証明書は、取引の安全を守るために誰でも閲覧・取得ができるように公開されている情報です。そのため、あなたが特定の不動産の登記事項証明書を取得したからといって、法務局からその不動産の所有者に通知がいくようなことは一切ありません。安心して取得してください。
Q. 記載されている住所や氏名が古いままなのですが…
A. 所有者の方が引っ越しをしたり、結婚して姓が変わったりしても、登記記録は自動的には更新されません。
ご自身で「登記名義人表示変更登記」という手続きを行う必要があります。これを放置していると、いざ不動産を売却しようとしたり、相続が発生したりした際に、スムーズに手続きが進まない原因となります。特に2024年4月1日から始まった相続登記の義務化に伴い、住所等変更登記も2026年4月1日から義務化されています(住所等の変更日から2年以内。2026年4月1日より前の変更については経過措置あり)。心当たりのある方は、お早めに司法書士へご相談ください。
まとめ:登記事項証明書は不動産取引の第一歩。不明点は専門家へ
今回は、登記事項証明書について、その意味から種類、取得方法、そして見方までを詳しく解説しました。
- 登記事項証明書は、不動産の公式なプロフィール(履歴書)である。
- 種類に迷ったら、すべての情報が載っている「全部事項証明書」を取得する。
- 取得は誰でも可能で、窓口・郵送・オンラインの3つの方法がある。
- 「表題部」「甲区」「乙区」の3つのパートで、不動産の現況と権利関係がわかる。
この書類を正しく理解することは、大切な財産である不動産を守り、安全な取引を行うための第一歩です。しかし、この記事で解説した内容は基本的な知識であり、実際の不動産登記は、権利関係が複雑に入り組んでいたり、予期せぬ問題が見つかったりすることもあります。
もし、取得した登記事項証明書を見て「これはどういう意味だろう?」と少しでも疑問に感じたり、ご自身の不動産手続きに不安を覚えたりした場合は、一人で抱え込まずに私たち司法書士にご相談ください。専門家の視点で内容を正確に読み解き、あなたの状況に合わせた最適なアドバイスをいたします。

私は栃木県那須塩原市(旧黒磯市)出身で、現在は宇都宮市を拠点に司法書士として活動しています。中学生の職場体験がきっかけで司法書士の世界に興味を持ち、相続や遺言、相続登記などをご相談いただくなかで、これまで県内で1,000件以上のお手伝いをしてきました。特に相続放棄や遺言書作成、不動産登記の分野では、気軽に相談できる雰囲気を大切にしており、初回相談は無料で対応しています。税理士や宅建士などと連携し、多面的な視点からお悩みに寄り添うことを心がけています。栃木の地域に根ざし、一人でも多くの方の安心を支える存在でありたいと願っています。
