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相続登記でなぜ3種類もの戸籍が必要なの?
「親が亡くなって相続登記を進めたいけれど、戸籍の種類が多すぎて何が何だか分からない…」
「現在戸籍だけじゃダメなの?なぜ除籍謄本や改製原戸籍なんて古いものまで必要なんだろう?」
ご家族が亡くなられ、ただでさえお忙しい中で相続手続きの準備を始められたあなたは、きっとこのような疑問や戸惑いを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
特に2024年4月1日から相続登記が義務化されたことで、不動産の名義変更は「いつかやればいい」ものではなくなりました。この手続きの最初の、そして最大の関門となるのが「戸籍集め」です。
この記事では、相続登記に不可欠な「現在戸籍」「除籍謄本」「改製原戸籍謄本」という3つの戸籍について、それぞれの役割と違いを分かりやすく解説します。なぜこれら全てを「出生から死亡まで」遡って揃える必要があるのか、その根本的な理由から、ご自身で集める際の注意点まで、専門家の視点から丁寧にご説明しますので、どうぞご安心ください。
この記事を読み終える頃には、複雑に見えた戸籍の謎が解け、あなたが次に何をすべきかが明確になっているはずです。相続登記に関する網羅的な情報については、相続登記の必要書類一覧(取得方法から相続人が兄弟姉妹のケースまで)で体系的に解説していますので、併せてご覧ください。
【図解】現在戸籍・除籍謄本・改製原戸籍謄本の違い
相続登記で必要となる戸籍は、大きく分けて3種類あります。それぞれが「いつ」の「どんな情報」を証明しているのかを知ることが、戸籍集めの第一歩です。ここでは、それぞれの戸籍の役割と見た目の違いを、図解も交えて見ていきましょう。

①現在戸籍謄本|「今」の家族関係を証明する
現在戸籍謄本(げんざいこせきとうほん)は、その名の通り「今現在」の戸籍の情報を証明するものです。正式には「戸籍全部事項証明書」と呼ばれます。多くはコンピューター化されており、A4用紙に横書きで印刷されています。
この戸籍には、今その戸籍に入っている人の氏名、生年月日、父母との続柄、配偶者の情報などが記載されています。相続手続きにおいては、「相続人が今も生きていますよ」ということを証明するために必要不可欠な書類です。
②除籍謄本|全員が抜けて閉鎖された戸籍
除籍謄本(じょせきとうほん)は、結婚や死亡、本籍地を他の市区町村へ移す「転籍」などによって、戸籍に記載されていた全員がいなくなり、戸籍そのものが閉鎖された状態を証明するものです。
例えば、亡くなったお父様が結婚してお母様と新しい戸籍を作った場合、お父様が元々入っていたご両親(祖父母)の戸籍からは名前が抜けます。このように、過去の在籍情報を証明するのが除籍謄本の役割です。相続人を確定させるためには、亡くなった方が過去にどのような戸籍をたどってきたかを証明する必要があるため、この除籍謄本が非常に重要になります。
③改製原戸籍謄本|法改正前の古い様式の戸籍
改製原戸籍謄本(かいせい“はら”こせきとうほん)は、戸籍法の改正によって戸籍の様式が新しく作り替えられる前の、古い形式の戸籍のことを指します。実務では「げんこせき」と読むと現在戸籍と紛らわしいため、「はらこせき」と呼ぶのが一般的です。
多くは手書きで、縦書きの和紙に毛筆で書かれています。現在のコンピューター化された戸籍には記載が引き継がれない情報、例えば法改正前に亡くなったり、結婚して戸籍を抜けたりした兄弟姉妹などの情報が含まれていることがあります。こうした情報が、隠れた相続人を見つけ出すための重要な手がかりとなるため、相続人確定のためには絶対に欠かせない戸籍なのです。
なぜ「出生から死亡まで」全ての戸籍を遡る必要があるのか?
「なぜ、こんなに何通も古い戸籍まで集めないといけないの?」と感じるかもしれません。その答えは、「他に相続人がいないことを公的に証明するため」です。
最新の現在戸籍だけを見ても、その人が生まれてから亡くなるまでの全ての家族関係が分かるわけではありません。例えば、
- 離婚歴があり、前の配偶者との間に子がいるかもしれない
- 結婚はしていないが、認知した子がいるかもしれない
- 亡くなった兄弟姉妹に子(甥・姪)がいて、代襲相続人になるかもしれない
こうした可能性を一つひとつ潰していくために、亡くなった方の出生まで戸籍を遡り、全ての家族関係を洗い出す必要があるのです。
もし、一人でも法定相続人を見落としたまま遺産分割協議を進めてしまうと、その協議は無効となり、全て一からやり直しになってしまいます。このような重大なトラブルを防ぐために、法務局は厳格な戸籍の提出を求めているのです。
より詳しい必要書類のリストや入手先については、法務局が公開している資料も参考になります。
参照:相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等 (PDF) – 法務局
ご自身での戸籍収集が困難を極める3つの理由
「よし、それなら自分で集めてみよう」と思われるかもしれませんが、実はこの戸籍収集、多くの方が想像する以上に険しい道のりです。実際に相続手続きをご自身で始められた方が、途中で挫折して当事務所にご相談に来られるケースは後を絶ちません。なぜ、それほどまでに困難なのでしょうか。そこには、大きく3つの「壁」が存在します。

【時間の壁】平日の日中しか開いていない役所との終わらない往復
最大の障壁は、時間的な制約です。自治体にもよりますが、市区町村役場の窓口は平日の日中が中心で、仕事の都合などで利用しづらいことがあります(自治体によっては窓口延長や休日開庁が行われている場合もあります)。
さらに、戸籍謄本等は、従来は本籍地の市区町村で請求するのが基本でしたが、2024年3月1日からは広域交付制度により、本籍地以外の市区町村窓口でも取得できる場合がありますが、取得できる戸籍の範囲は法律で決められています。広域交付制度を使って取得できない戸籍を取得する必要がある場合で、亡くなった方が生涯同じ場所に住んでいたならまだしも、結婚や仕事の都合で何度も転籍を繰り返している場合、その全ての役所に個別に請求しなければなりません。遠方であれば郵送での請求になりますが、申請書や定額小為替の準備、本人確認書類のコピーなど、手間がかかる上に、もし書類に少しでも不備があれば役所から電話がかかってきたり、書類が返送されたり…といったやり取りを繰り返し、全ての戸籍が揃うまでに数ヶ月を要することも珍しくないのです。
【知識の壁】古文書のような手書き文字の解読と複雑な続柄の理解
なんとか戸籍を集められても、次なる壁は「解読」です。特に戦前の改製原戸籍は、達筆な毛筆で、旧字体やくずし字を使って書かれていることがほとんどです。現代の私たちには馴染みのない文字も多く、まるで古文書を読み解くような作業になります。
ここで一文字でも読み間違えたり、記載内容の法的な意味を誤って解釈したりすると、相続人を見落とすという致命的なミスにつながりかねません。
さらに、兄弟姉妹が相続人になるケースや、先に亡くなった子の代わりに孫が相続する「代襲相続」などが絡むと、関係はさらに複雑になります。戸籍から正確な相続関係を読み解くには、民法の深い知識と経験が不可欠です。
【精神の壁】書類の不備や見落としへのプレッシャー
「本当にこれで全部揃ったのだろうか?」
「どこかに見落としはないだろうか?」
戸籍集めを進める中で、この不安が常に付きまといます。これは、ご自身で手続きをされている方が最も苦しむ精神的なプレッシャーです。万が一、自分のミスで後から他の相続人が現れたら…と考えると、夜も眠れなくなるかもしれません。
大切なご家族を亡くされたばかりで、心身ともにお辛い時期に、このミスの許されない複雑な作業に一人で立ち向かうのは、想像以上に過酷なことです。この精神的な負担こそが、多くの方が専門家への依頼を決断される大きな理由の一つなのです。
戸籍の漏れが招く、取り返しのつかない事態
もし、戸籍の収集に漏れがあったり、読み解きを間違えたりした場合、一体どのような事態が起こるのでしょうか。それは単なる「手続きのやり直し」では済まない、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
最も恐ろしいのは、相続人全員が参加していない遺産分割協議は法的に無効になるという事実です。一度は合意した内容が全て白紙に戻り、後から現れた相続人を交えて、もう一度ゼロから話し合いをしなければなりません。関係性がこじれ、感情的な対立に発展してしまうことも少なくありません。
軽い気持ちで始めた戸籍集めの小さなミスが、後々、家族関係や財産を揺るがす大きな問題になりかねないことを、ぜひ知っておいてください。
複雑な戸籍収集は司法書士に任せるのが賢明な選択です
ここまで読んで、「自分だけで戸籍を集めるのは、あまりにもリスクが高い…」と感じられたかもしれません。その直感は、決して間違っていません。時間的、知識的、そして精神的な負担が大きい戸籍収集と相続人調査は、まさに私たち司法書士のような専門家が最も得意とする分野です。
当事務所にご依頼いただければ、複雑な戸籍の収集・整理について、状況に応じた進め方をご提案し、手続きの負担軽減に努めます。まずは一度、初回無料相談をご利用いただき、現状をお聞かせください。
職務上請求で迅速かつ正確な戸籍収集が可能
私たち司法書士には、「職務上請求」という特別な権限が認められています。これは、業務に必要な範囲で、依頼者に代わって戸籍謄本などを請求できる権利です。これにより、あなたが全国各地の役所に個別に連絡を取る必要はなく、私たちが一括して、迅速かつ正確に戸籍を収集することが可能です。ご自身で郵送のやり取りを繰り返す場合に比べ、状況によっては手続きにかかる時間や負担を軽減できる場合があります。
相続人確定のプロとして、見落としのないよう慎重に調査
司法書士は、相続に関する法律と実務のプロフェッショナルです。私はこれまで、多数の相続案件に関わってきました。その経験から、どんなに複雑な家族関係であっても、古文書のような改製原戸籍であっても、内容を丁寧に確認し、隠れた相続人の見落としが起きないよう、慎重に相続人調査を進めます。専門家が第三者の目で客観的に調査することで、「見落としがないか」という精神的なプレッシャーを軽減しやすくなります。
戸籍収集から相続登記完了までワンストップで対応
司法書士にご依頼いただく最大のメリットは、面倒な戸籍収集から、その後の遺産分割協議書の作成、そして最終目的である法務局への相続登記申請まで、相続に関する一連の手続きを全て一括でお任せいただける点です。「次は何をすればいいんだろう?」と悩む必要はもうありません。あなたは本来やるべきことに集中していただき、煩雑な手続きは全て私たちにお任せください。

宇都宮での相続登記は、司法書士おおもり事務所へご相談ください
司法書士事務所と聞くと、まだ「敷居が高い」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。私が事務所を開設したのは、「もっとお客様に寄り添い、話しやすい環境を作りたい」という想いからです。中学生の時に職場体験で司法書士の仕事に触れ、人の大切な財産と権利を守る姿に感銘を受けたのが、この道を志した原点です。
相続手続きは、法律の知識だけで進められるものではありません。ご家族を亡くされたお客様の不安な気持ちに寄り添い、一つひとつの疑問に丁寧にお答えすることを何よりも大切にしています。どうぞ、安心してご相談ください。
初回相談は無料!まずはお気軽にお話をお聞かせください
「何から話せばいいか分からない」「まだ何も整理できていない」という状態でも全く問題ありません。まずは無料相談の場で、あなたの状況をじっくりお伺いし、今後の流れや必要な手続きについて分かりやすくご説明いたします。ご相談いただいたからといって、無理に依頼を勧めることは決してありませんので、ご安心ください。
お電話またはお問い合わせフォームから、ご都合の良い日時をお知らせください。平日お忙しい方のために、土日祝日のご相談も事前予約にて対応しております。あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

私は栃木県那須塩原市(旧黒磯市)出身で、現在は宇都宮市を拠点に司法書士として活動しています。中学生の職場体験がきっかけで司法書士の世界に興味を持ち、相続や遺言、相続登記などをご相談いただくなかで、これまで県内で1,000件以上のお手伝いをしてきました。特に相続放棄や遺言書作成、不動産登記の分野では、気軽に相談できる雰囲気を大切にしており、初回相談は無料で対応しています。税理士や宅建士などと連携し、多面的な視点からお悩みに寄り添うことを心がけています。栃木の地域に根ざし、一人でも多くの方の安心を支える存在でありたいと願っています。
